ゲーマーならずとも、PS2には名作が多かったと感じる人は多いのではないでしょうか?
PS2作品の一部は現在プレイステーションアーカイブスなどでも遊ぶ事が可能ですが、それはあくまで一部であって多くの名作は未だ埋もれたままとなっています。
今回ご紹介する作品はそんなPS2の名作の中にあって今の季節にピッタリの作品で昨年2016年にはシリーズ15周年を迎えた和風ホラーアドベンチャーシリーズの第一作「零 zero」になります。
このシリーズは私が今までやってきたゲームの中においてトップクラスの怖さを誇っている作品ですので、未プレイの方は是非ともPS2本体を買ってでもやってみる事をおすすめします!
また、他のシリーズをやって零にハマってしまった方にもシリーズの原点とも言える本作の魅力を伝えられたらと思います。
それでは恐怖の舞台氷室邸へご案内いたしましょう…。
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霊達の住まう場所・氷室邸
本作は強い霊感を持った主人公・雛咲深紅(ひなさきみく)が突如失踪した兄である雛咲真冬(ひなさきまふゆ)を探す為に最後に向かったとされる氷室邸に赴く所から始まります。
こちらはOP動画なのですが、この時点で陰鬱な空気が全開なのが良く分かりますね。人によってはこの段階で心が折れるという事もあるようですが、そこを頑張って進めていくと…
待っていましたと言わんばかりに幽霊が深紅に襲いかかります。もちろん日本の幽霊ですので派手に動き回るのではなくひっそりと近づいてくるのですが、邸内の雰囲気や僅かに聞こえる音などによって緊張感が高まっている状態で仕掛けてくるわけですから、正直言って恐怖耐性の低い人からしたら序章をクリアする事すら難しいでしょう。
対幽霊の武器は射影器
本作は幽霊から逃げ回ったり只蹂躙されるだけのゲームではありません。アクションアドベンチャーの操作性は感覚として同じくホラー系ゲームの金字塔でもある『バイオハザード』に近く、まさに和風バイオといった感じですが、幽霊相手に銃をばら撒くわけにもいかず、攻撃は射影機と呼ばれるカメラを使って行います。ようは心霊写真を撮ってダメージを与えようという事。
実はこれが操作に慣れるまで非常に難しい。通常時は俯瞰視点にも関わらず撮影時にはカメラ越しの主観視点になる為、初めての戦闘では高い確率で幽霊に蹂躙されますw
しかしこの独特な操作感もまたこの作品の魅力とも言え、慣れてしまえば拳銃の早打ちのように心霊写真を撮れる事でしょう。
射影機は攻撃だけでは無い
射影機は攻撃手段だけではなく、探索時においても重要な役割を持っています。
例えば写真を撮る事で目に見えない情報を入手したり、射影機に付いているセンサーによってヒントとなる場所を探しあてたり、時には写真を撮る事によって封印を解除したりと大活躍。
細かい機能や性能は各シリーズ毎に違いがありますが、射影機を使った探索という意味では本作のままその後のシリーズに受け継がれていきます。
全五章で描かれるのは禁忌の儀式かそれとも…
本作は全五章構成になっているのですが、物語が進むにつれて見えてくるのは氷室邸にて過去に行われたおぞましい儀式になります。
もともと深紅の兄・真冬が失踪した理由というのも真冬の恩師でもある人気作家が取材の為に氷室邸に訪れた後に失踪したのを真冬が追いかけていったわけなので直接的に雛咲兄妹が儀式と関係しているわけではないのですが、何の因果か二人はこの儀式に大きく関わっていく事になります。
詳しい部分はあえて伏せますが、この得体のしれない儀式というのは作中で何度も映像が流れるのですが、これが何気にプレイヤーの精神を徐々に削っていきます。しかし、真相に近づくにつれおどろおどろしい物語の別の側面が見えてきます。
ここも激しいネタバレになってしまう為詳しくは伏せさせて頂きますが、本作の別の側面とは一言でいえば『愛』になります。それは純愛と言っても過言ではない程で、本作のみならずこの後に続くシリーズでもこの恐怖と背中合わせにある愛というのがある意味でシリーズ共通のテーマのようにも感じ取れます。
ただ怖いだけでは無い。愛のある物語だからこそ恐怖は際立ち、また恐怖が大きいからこそ愛に重みが増しているようです。
この事から本作は恐怖と愛の物語であると言えますね。
ちなみに…
まとめ
2001年の年末に発売された本作は、その後2作目3作目とPS2で発売した後にプラットフォームを任天堂に移し実写映画に漫画と人気を拡大していきますが、やはり今でも本作は人気が高く、同シリーズ3作目と共にリメイクを希望する声が後を絶たない作品でもあります。
現在はリメイクの話というものは全く聞きませんが、ここ最近ゲームを始めた人ならPS2のゲームというのは守備範囲外だと思いますので、是非ともこの機会にPS2の名作に目を向けてみては如何でしょうか。画質は現行のハードに比べて落ちるのは否めませんが、画質の悪さを補って余りある作品が待っていますよ。
まずは本作を皮切りに零シリーズ3作品は如何でしょうか?w