今年の夏にテレビドラマ化が発表され、キャストやドラマの内容に注目が集まる漫画『エンジェル・ハート』。
2001年から10年以上にわたり連載が続く作品の人気に注目していこうと思います。
『エンジェル・ハート』の掲載雑誌
2001年に週刊青年雑誌『コミックバンチ』の創刊号から連載が始まり、2010年の39号で雑誌の休刊に伴い一度連載が中断となりました。
その後、2010年10月25日月刊誌『コミックゼノン』の創刊とともにタイトルに2ndシーズンのフレーズが加わり連載が再開されました。
週刊誌から月刊誌に変わったとこにより1話あたりのページ数が増えています。
『エンジェル・ハート』その内容
物語は台湾の殺し屋グラスハートが人殺しをする事が嫌になり自殺するものの、交通事故で亡くなった槇村香のドナー心臓が移植されることで命を繋ぎます。
香は新宿でスイーパーをしている冴羽 獠のパートナーでした。
心臓移植により香の優しい心の記憶を得て、殺戮以外の新たな感情を知ります。
彼女は香瑩(シャンイン)という名前を付けてもらいリョウの養女になります。
そして新生シティーハンターとして活躍していくことになる、というストーリーです。
原作者が『シティーハンター』のパラレルワールド的作品と語っておりますが、ドラマのCMでは続編と書いてあったり、その辺はとても曖昧なものです。
これも『シティーハンター』という作品の人気ゆえのことでしょう。
『シティーハンター』との違い
香が亡くなってしまう事が一番大きい違いですね。これを受け入れられないというファンがいまだに多いです。
登場人物達は皆年齢を重ね、落ち着いています。
これによってギャグ描写が少なくなりました。
特にグラスハートが香瑩になるまでの序盤は重苦しい話が続くので、『シティーハンター』のテンポのいい笑いを求める方には辛いかもしれませんが、そこは少年誌と青年誌のカラーの違いと言えましょう。
舞台は現代の新宿で、駅周辺の建物も新宿マイシティからルミネエストへ変わっています。
話の中心はアクションからハートフル重視に変わりました。
北条司の持ち味である質の高い絵で、キャラクターの繊細な心の動きがしっかり描かれています。
王道的な流れが多いですが、描写力と演出力の高さで感情移入できてしまう画力は流石としか言い様がありません。
キャラクターの魅力
グラスハートこと香瑩は初登場時は15歳、暗殺しか刷り込まれてこなかった少女が人間性を取り戻し成長していく姿はリョウでなくても見守りたくなるものがあります。
リョウは女好きを所々で出してきますが、ギャグをすればするほど痛々しい悲惨なヒーロー像が強くなり、陰の濃いキャラクターとなりました。
養女とはいえ娘ができて落ち着いたことで、渋い大人の男としてのカッコよさは増しています。
冴子の色気を感じるキャリアウーマンぶりは健在です。
まだ彼女のドラマでの配役は発表されていませんが、相当の美女をもってこないといけないキャラクターです。
海坊主も大人のカッコ良さと見た目も含めた存在感が光ります。
ネタバレになるので深くは触れませんが、『シティーハンター』で海坊主と結婚した美樹もちゃんと形をかえて登場しますので、彼女との新しい絡みも見所の1つであります。
『エンジェル・ハート』ドラマに求める事
この漫画はまるで映画を観ている様な画面構成や構図で、これを超えるというのはなかなか難しいことです。
原作にできない事、動きと声、音楽があることをプラスに取り、これらを上手く表現できたら成功するのではないでしょうか。
原作漫画は香瑩が主役ですが、ドラマはリョウを主役と考えているように見えます。
この時点で違う色を出してくる予感はします。
どう転んでも賛否両論出るでしょうから、違う色をみせるのなら上手く人物を掘り下げてほしいですね。
話はシティーハンターとして依頼を受け解決するスタイルに突入すれば話のストックはいっぱいあるのでシリーズ化もできるでしょう。
丁寧に進めて演技して欲しいということと、BGMが感情をさらに盛り上げてくれる素敵な曲であることを期待しています。