日本において漫画とはいまや貴重な文化と言える存在で、ここまで漫画文化の発達した国は類を見ないと言っても過言ではないでしょう。
毎日のように漫画雑誌が発売されネット漫画も含めれば一年中新作を読めてしまう今の日本において自分の好みの作品をリサーチするのも一苦労ですが、作品が溢れかえっているからこそ自分好みの作品に出会えた時は喜びもひとしおです。
私自身も漫画を読み始めて30年以上経過していますが、最近ではもっぱら新作探しはネット漫画の方に比率が傾いており、今回ご紹介する漫画もそんな中から見つけてきた作品で、現在GANMA!にて連載中の「外れたみんなの頭のネジ」になります。
夏に相応しい背中を這うような恐ろしさのホラー漫画なのですが、その破壊力はここ最近のホラー漫画の中でも確実に上位に食い込んでくるほどと考えていますので是非ともご覧ください。
※ホラーが苦手な人はここから先は自己責任になります
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狂った世界を描く一話完結のショートストーリー
物語は街が狂っているという事に気付いた主人公・ミサキが自身の周辺で起こる奇怪な出来事や体験をショートストーリーで描いていくというもので、基本的には一話完結になるのですが、本筋とも言えるストーリーの流れも勿論あって、周囲が狂っているという事に対して核心を持っているミサキではあるのですが、そんなミサキには悪魔が見えるようになってしまいます。
どんな悪魔かというと…
こんな悪魔。
名前は『べへりん』と言うのですが、彼の正体や彼とミサキの関係性などは物語の大きな鍵を握っているかのように描写されており、ストーリーの本筋とは上記の画像でべへりんが言うように世界が狂っているのか、それともミサキ自身が狂っているのかという点が焦点となります。
勿論ミサキは自身が狂っているなど考えるまでも無いので、周囲が狂ってしまった原因を探る為に色々動いたりするのですが、そこに待ち受けるは狂人の狂人による狂った世界なのです。
狂った世界を駆け巡るネジの外れた狂人達
本作の恐怖は偏に背後に蠢く目に見えない恐怖と眼前に繰り広げられる目に見える恐怖の二つに分けられます。本筋のストーリーが目に見えない恐怖とするのなら、目に見える恐怖というのは作中に登場する奇奇怪怪な狂人達と言えます。
こちらは人というよりも狂気を感じる肖像画ですが、人でいうのなら…
こんな感じの人や…
こんな感じの人…
そしてこんな感じの人まで実にネジのぶっ飛んだ様々な狂人達が物語を彩ります。
分かりやすく常軌を逸しているキャラクター達のオンパレードですが、本作の世界では日常的にこういった狂人達が蔓延していて、常識的な人かと思ったら豹変して気が狂ったようになるなど、ショートストーリーという形式ならではの瞬発力の高いホラーを楽しむ事が出来ます。
見ようによってはギャグに見えてしまう事もあるかもしれませんが、そこはホラー漫画家として定評のある作者によって見事に表現されています。
個人的には『ビクの生首』とか『ヒトモドキ』などの話がおすすめですw
ちなみに…
単行本は現在3巻まで発売中!
マッドサイコホラーとでも言うべき本作は現在単行本が泰文堂より3巻まで発売されています(画像は2巻のものですがw)。
単行本が発売されると最新話直近の話しかネットで読む事が出来なくなってしまうというのはネット漫画では比較的多い形態ですが、本作ではそんなことはなく現在も全話がGANMA!にて読む事が出来ます。
「それなら単行本を買わなくても良いんじゃない?」と安直な考えに至る方もいらっしゃるかも知れませんが、単行本の魅力は何といっても単行本にのみ収録されている書き下ろしです。
本作を読んでハマってしまった人ならば間違いなく損はさせない内容となっていますし、漫画はじっくりと単行本で読みたいという人にもおすすめです。
まとめ
正直言うと今回ご紹介するにあたってどこまでご紹介したら良いのか迷った部分が多い作品だったのですが、本作の魅力は何といってもその狂気染みた世界観にあり、その世界観は実際に読んでみない事には始まらないというのがあります。
結局ご紹介するにあたって断片的な情報を散りばめる事によって興味を引くという形式になってしまいましたが、ここは騙されたと思って1話を読んでみてくれたら私のおすすめした理由が良く分かると思います。
ちなみに私は1話を試しに読んだらあっという間に全話を一気読みして、今では作品の持つ破壊力に打ちのめされて更新を待ちわびるほどどっぷりと本作の魅力に取り憑かれてしまいました。
皆さんも夢に出てくるほどのマッドサイコホラーの破壊力を体験してみては如何ですか?