今や1人に1台と言っても過言ではないスマホですが、各種書籍の電子化に伴い漫画もスマホを利用して読んでいる方も割と増えているのではないでしょうか?
かくいう私も電車移動中などにスマホを利用してネットで情報収集という名目で日々漫画を読んでいるのですが、今回ご紹介したい作品はそんなネット漫画からになります。
その名は「魔王の秘書」
本作は現在コミック配信サイト『コミック アース・スター』にて連載中のファンタジーギャグ作品になるのですが、ここ最近私が読んだギャグ作品の中でも確実に上位に食い込んでくるほどの面白さとなっていますので、この楽しみを少しでも皆さんにお裾分け出来たらと思いますw
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魔王が攫った女性は敏腕秘書
『光の勇者が生まれた時、魔物達の王もまた復活する』
として目を覚ましたは良いが、2度寝して勇者誕生から10年後に復活した魔王が配下に指示を出して攫わせた人間の女性。彼女は先進国の王の秘書であり、人間の知恵を使って人間を苦しめようとする魔王にとって都合のよい人間でしたが、蓋を開けてみるとなんと秘書は魔王も引くほどの肝の据わり方と切り替えの良さを持った超敏腕秘書なのでした。
魔王が2度寝で復活を寝坊するなど初っ端から破天荒な入りの作品ですが、本作はそんな少し抜けているかのような魔王と現代社会でもバリバリと仕事をこなしていそうな超敏腕女性秘書と、その他の魔物達が繰り広げる覇道の物語になりますw
魔物も引く秘書のガチっぷり。だがそれが良いw
魔物に攫われて魔王城に連れて来られた秘書ですが、持ち前の肝の入りっぷりと合理的な対応によって魔王専属秘書になりました。さっそく大勢の魔物の前で世界征服プランを提唱する秘書ですがその策は実に容赦のないもので、それはおおよそ同族に向ける策としては全力過ぎるあまりに魔物達も引いてしまう程w
しかし当の秘書からすれば職務を忠実にこなしているだけで、例えるならば『魔王軍』という会社に就職した従業員が仕事のプレゼンをしているようなものですから、ファンタジー的には外道のように見えても冷静に見ると実に合理的なプランである事がよく分かります。
しかしこれは魔物が人間を滅ぼす為の会議で魔物から提案されたのならばダークファンタジーのような体になりますが、この提案はあくまで滅ぼされる側である人間からの提案でその背景に愛憎や復讐など特になく、淡々と職務にあたる秘書とその割り切りっぷりに引く魔物の構図がなんとも笑えてきますw
本作の最大の魅力として挙げられるのは、やはりこういったファンタジー世界(魔物)と現実世界(秘書)の対比といえますね。
社会に出ている人にこそおすすめするメタファーなギャグ
実に現実世界然とした思想を持つ秘書によって着々と改革を進めていく中で秘書が取りかかった事とは組織改革です。といっても人間に優しい組織にするためという事では無く、あくまで魔物達が効率よく侵略を行う為の組織改革というのが実に秘書らしいw
現実世界において代表的な組織とは会社になると思いますが、秘書の行う組織改革はまさに魔王軍を一つの会社として考えたようなものでした。
まずは人員の増強。人員を増やす為にまずしなければならないものといえば、そう求人広告です。
魔王が以前に出した求人広告にダメ出しをして新たなコンセプトで求人広告を打ちます。
求人広告が何処かで見た事がある気がするのはきっと気のせいですw
募集を掛けて集まっても、その全てを採用していたのでは目指す効率化とは言えませんよね。
そこで行うのは、そう面接です。
魔王軍の幹部2名、秘書、そして変装をした魔王を面接官として行う魔王軍採用面接には様々な魔物達が訪れます。
ここでも何処かで見た事がある気がするかもしれませんが気のせいですw
しかし、募集で人員を確保したとしても肝心の労働環境が整っていなければ離職率が上がってしまい元も子もないですよね?
そこで現行の組織の在り方も見なおすことによって改善へと向かわせます。
やはりどこかで聞いた事のあるような愚痴ですねw
まるで魔王が経営の傾いている企業のワンマン社長に見えてきますが、これぞこの作品の醍醐味であり、今社会で組織の一員として働いている人にこそ分かる面白さと言えますw
まとめ
漫画といえば子供の読む者とされていたのは今や昔。電車で漫画雑誌を読みふけるスーツ姿の大人は皆さんもよく見かけると思いますが、世界広しといえどここまで大人達に漫画が浸透している社会は日本だけという話を聞いた事があります。
男の子なら誰もが子供のころに「ヒーローが変身中に何で敵は黙って見ているのだろう? 隙だらけじゃん」という疑問と世知辛い社会の組織という魔窟をそのままファンタジー世界に当て嵌めて、足して混ぜて均一に成型して焼き上げたかのような本作品。中高生が読んだとしてももちろん面白いとは思うのですが、やはり本作は社会人にこそ読んでもらいたいと思う作品です。
作品の全てをご紹介するわけにはいかないのですが、ここまででご紹介した内容以外にも社会人なら思わずニヤリとしてしまう場面は多くあります。
現在本作は連載以外でも単行本が発売されており、電子版も発売されている事から移動時のスマホやタブレットでも読むことが可能です。
最新話ではようやく敵である光の勇者の存在がチラリと登場した所で、まさにこれからエンジン全開で物語が進んでいく事になりそうな予感がしますね。
着々と進む魔王と秘書の世界征服の物語を皆さんも一緒に堪能してみませんか?