作品概要
多くのギャンブル漫画を描いている福本信行さんによる麻雀マンガのアニメ版。
「天 天和通りの快男児」というマンガに登場する天才雀士・赤木しげるの若かりし頃を描いたスピンオフ作品「アカギ ?闇に降り立った天才?」をアニメ化したもの。
基本的に心理描写の多い福本作品のなかにありながらも、群を抜いて登場人物の胸の内ばかり描いているため、漫画では遅々としてストーリーが進まない。(さすがにアニメでは色々はしょって短くしていますが)
どのくらい遅いかというと、
現実だと数時間で終わってしまう半荘6回戦(麻雀をしらない人は検索してください)を15年かけて連載しても、全然勝負がつかないという脅威のスローペース漫画。
アニメ化して短縮しても、全26話中の10話を使って、勝負の半分程度しか進まず、
結局どっちが勝つのかよくわからないままアニメは終了するという衝撃の結末(笑)。
(まあ、アニメ放送が2005?06年なので、現在ですら連載で勝負がついていないのだから、アニメで勝負をつけようがないですけどね……)
主要登場人物
赤木 しげる
本作の主人公。後に天才博徒となる存在。
初登場時、車で崖に向かってアクセルを踏み続ける「チキンラン」のすえ、勝負相手と共に崖から海に転落し、なおかつ転落した車から逃げ出すという、なんだかト○・クルーズがスパイ映画でやるスタントみたいなことを、わずか13歳で越えてくる豪傑。
ただ、ストーリーがすすむにつれて分かってくるが、要するに、刺激が欲しくて危ない事を求め続けるドM中のドM男。ただし、天才。
南郷
ヤクザやら悪徳警官やら殺人鬼やらが出てくる本作品で、一見、常識側の人間に見える人物。が、そもそも、多額の借金のうえにヤクザとの麻雀でそれを帳消しにしようとしている時点で、少しも常識人ではない。 アカギに覚醒のきっかけを与えたことで、結果、借金帳消しのうえに現在価格で4000万もの金を得る。どうやら、ここで博打から足を洗ったようなので、ある意味では常識いえる。
安岡
「チキンラン」を行ったアカギを追っていた……はずだった刑事。
雀荘で赤木を見つけたときには敏腕デカの雰囲気を漂わせていたのに、瞬間的に金儲けへと思考を転換してしまうダメ刑事。
終盤の鷲巣戦では、久しぶりに赤木に再会したのに、アイコンタクトだけで赤木の言いたいことをテレパシーよろしく読み取れるようになっている謎のおっさん。
市川
赤木が初めて対決した怪物級の雀士。
過去にロシアンルーレット的な勝負のすえ失明。その実力は、麻雀界で五指に入るとされているつわものだったが、赤木との悪知恵対決に敗れる。
浦部
自分は結構強いと信じていたらしく、雑魚を装って相手を調子づかせ、一転、本領を発揮して相手をどん底に突き落とし悦に入っていた。が、怪物中の怪物・赤木が現れ、今度は自分が雑魚側になり撃沈。借金を背負ったうえ、雇い主だったやーさんに手の指をすべてへし折られる。
鷲巣 巌
本作の大ボス。
警察幹部を退職し、戦後、コネや在職中に掴んだスキャンダルを使った脅しで、巨万の富を築いた富豪。
年老いて死ぬのが怖くなったあまりに、血液を掛け金がわりとした「鷲巣麻雀」によって世間の若者を殺しまわる。
間違いなく怪物だが、より高位の怪物である赤木により追い詰められ、資産を削りとられたうえに、自分も血液をかけることになる。
大物らしい愉快な喋り方をする老人で、血を抜かれて貧血状態に陥った時には、精神世界で閻魔大王に会ったり、地獄で大暴れする幻想をみるなど、想像力の面でも凡人離れしている。
アカギがカッコよすぎる
率直に言って、本作の登場人物は、おっさん、やーさん、チンピラしかいません。
よって、キャラのどこをみるかといえば、もう能力的なカッコよさか、人として愉快かしかないのです。
赤木 しげるがカッコいいのは言うまでもありません。
だって他はみんなやられ役の噛ませ犬なんですもん。
将来、伝説となる人物の話ですから、否応なくそうなるのでしょう。
ただ、もちろん赤木はかっこいいのです。
基本的に序盤はずっと劣勢(を装う)ですが、赤木は鉄仮面のごとくポーカーフェイスです。
そして、ためてためてためて、相手に「俺の勝ちだぜ」と思わせたところで、赤木がニヤリと笑う。
気がついてみれば、大逆転。
計画的にどんでん返しで勝ちをさらっていく。
そりゃ、カッコいいに決まってます。
どんな時でも引きません。
たとえやーさんに刀を向けられて、切りかかられても引きません。
どんな状況でも狂気を楽しみます。
アカギの名言
「狂気の沙汰ほど面白い」
は有名でしょう。
何があっても勝つ。どんな状況でも引かない『アカギ』はもはや僕たち凡人からすると英雄にも見えてしまいます。。
愉快キャラ
こちらは何人か候補はいますが、結果、鷲巣 巌です。
セリフとか、表情とか、面白い点は多々ありますが、
ぶっちぎって面白いのは、声をあてている津嘉山 正種さんの声と演技です。
福本先生の他作品「カイジ」のアニメを見たことがある方は、あちらの会長役の声でもおなじみですが、
鷲巣の場合は、感情の起伏がやたらめったら大きく、殺人鬼なのに途中からは親しみすら覚えるほどの面白さがあります。
表情もかなり豊か。
もう完全なる悪魔ですな。。。
これは、もう観て聴いて頂くしか面白さが伝わらない!
独特の滑舌というのか声色というのか、説明できません!
ぜひ、聞いてみて下さい。
名シーン
本作は赤木がすごいというアニメですから、当然、赤木勝利のシーンが印象的です。
そのなかでも、おお!と思ったのが、
第12話「偶機の魔法」で、赤木が7万点の大差をひっくり返して勝利するところです。
はじめは別の人が麻雀をやっていて、赤木は途中から代理ではいるのですが、
いきなり差を詰めていくのではなく、全くなにもしないような展開がしばらくつづきます。
本当に勝てるのかな、と観る人に思わせながら、終盤に思いもよらない方法でガンガン追い上げ、
最後の最後に、完全に相手を罠にはめる形で勝利する。
赤木の天才性が如何なく発揮されるシーンです。
物語はイカサマ有きではありますが、なかなか面白いストーリーでみどころありますので、未見の方は試しに観てみて下さい^^