『氷菓』は2012年に京都アニメーションにより制作された作品です。
原作者は「インシテミル」で知られる米澤穂信です。
普段の何気ない問題を大きく見せて謎解きをしていく作品となっています。
この作品のように普段の生活がより彩りを増す方法を探ってみたいと思います。
単調な日々を払いのけるには、やはり出会いが大事!
舞台は山岳地帯に囲まれた高校です。そこに通う主人公折木奉太郎とその友人たちが古典部にあった過去や、文化祭での騒動、生き雛祭りの騒動を解決していくという話になっています。
奉太郎は「やらなくても良いことはやらない、やらなければいけない事は手短に」を信条とする省エネ少年。
古典部で出会った探求心の塊、千反田えるの誘いを断れず、図書館の本が毎週同じ時間に返却されるという不思議な謎に取り組み解決します。
千反田にすっかり気に入られた奉太郎はその後も千反田の「私、気になります!」の一言で様々な謎に巻き込まれ、見事に見事に解決していきます。
しかし、彼も一人の高校生です。
女帝と呼ばれる先輩、入須冬実に「君には特別な力がある」と言われ利用されたり、少しずつ惹かれていく千反田への思いに心が揺らいだりもします。
アニメは最終的に奉太郎が空想の中で千反田に告白するところで終わっており、2期が制作されるかはまだ未定です。
奉太郎は本当に特別な力があるのか?
奉太郎は超能力やその他の特別な力があるわけではありません。
では、何が優れているのかというと、ずばり「観察力と思考力」です。
友人の福部里志や伊原摩耶花たちと同じ資料を見ていても見ている視点が違います。
また、周りの人とは違った視点で見たものから考察する力が優れています。しかし本人にその自覚はなく「ただ運が良かっただけ」と言っているので恐らく天性のものでしょう。
日々の生活をより楽しく生きるためには、そういった違った視点から物事を見る、それを元に現実離れしない考えを組み立てることが大切なのでしょう。
それを行えること自体が特別だとは思いますが…
時折見られる等身大の姿
奉太郎や古典部の面々もやはり高校生です。
近くに魅力的な異性がいれば惹かれていきます。
福部里志と伊原摩耶花も中学時代から交際するかしないかで揉める時があります。
その際に見られる、等身大の高校生の揺れ動く心情がこの作品の面白いところの1つでもあります。
「目の前に自分のことを好きでいてくれる素敵な女性がいる。でもこだわることにこだわらないと決めている自分は摩耶花にこだわっても良いのだろうか?」というエピソードがあったり、奉太郎も生き雛祭りの帰りに自分が千反田を好きなことを自覚し告白しようと試みるも、結局思いとどまるエピソードがあります。
子供と大人の中間にある高校生だからこその不安定な心情、後一歩勇気が出ない自分に少し嫌気がさしてしまう姿に思わず引き込まれてしまいます。
氷菓は原作ではまだ続いており、加えてファンの間でも2期を放送して欲しいという声が多く上がっている作品なので今後、どのような展開になるのか楽しみにしたいです。